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第52話
真木に邪魔だから出ていけと言われ一時間ほど経った。
玲はそろそろ様子を見た方が良いかと部屋をノックするが反応がない。
「真木寝てるのか?
入るぞ。」
返事が無いためそのままドアを開けて入ったが部屋に真木はいなかった。
いつの間にか抜け出していたようだ。
部屋を出てドアを閉めると丁度母と鉢合わせになった。
「真木はちゃんと勉強してる?」
「え、あ、ああ……。
ちゃんとしてるよ!!大丈夫だから。」
家を出たとバレれば真木が叱られてしまうと
咄嗟に嘘をついた。
願わくば真木が母に気づかれず早く戻ってきてくれることを祈るのだが。
「嘘ね、真木はどこに行ったの?」
「………さぁ?」
流石母親すぐバレてしまった。
「全くあの子は……。
貴方も貴方よ!!いい加減にしなさい。
本当はもっとレベルの高い高校に行けたのにわざわざ真木と一緒の高校がいいってレベル落として……そこまで真木にこだわるのはおかしいわ。」
余計なお世話だ。
弟が好きで何が悪い。
誰になんと言われようがどうでもいい。
だが真木が悪く言われるのは例え親でも許せなかった。
真木だって昔は勉強も頑張っていた。
それなりにいい点数取ってたのに。
親がこれだから真木があんな風になってしまったんだ。
真木が玲を嫌いだと思っていることは彼も知っている。
時々自分に向ける目が憎しみに変わることがあるから。
いつからだろうか。
真木が玲を嫌いと思うようになったのは。
いつからだろうか。
真木が勉強するのを諦めピアスを開けたり髪を染めだしたりしたのは。
物心つく前から一緒にいた真木。
小さい頃はいつも玲の後を着いてきて
玲がいないと泣くような子だった。
そんな真木が変わっていったのはいつからだっただろう__。
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