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第57話

そっと頬に触れた真木の唇……。 そう言えば誕生日の時もしてくれたっけ? あの時は驚きすぎたのと嬉しすぎたので思考が停止してあまり覚えてなかったが、改めて彼の唇はとても柔らかいと思った。 「真…木……?」 唇が離れた真木の顔が赤みを帯びていて更に玲の理性を崩しこの身体の奥底が熱く疼く。 「俺兄ちゃんが嫌いだ。」 「え?あ、ああ……??」 嫌いなのにキスしてくれたのか……? たまに真木の考えることが分からない 「でも、どんな俺でも好きでいてくれるから……。 その……兄ちゃんが家で待っててくれるから 俺はここに帰ってこれるわけで……。 でないと今頃普通に家出してた…と思う……。 まぁ、兄ちゃんには感謝してる。 つ、付き合うのとかは無理だけど えっと、す、好きでいてやってもいい。」 感謝と上から目線な告白のようなものに 玲は今、夢を見ているのではないかと疑っていた。 ぶっきらぼうで不器用な言葉だが 凄く頑張って伝えてくれたのはよく分かる。 好きでいてやってもいい……。 それは真木なりの友達からお願いします のようものだと勝手に解釈した玲は すぐさま行動に移した。 玲は真木の頬を両手で挟むとその柔らかな唇にキスをした。 そして口内へと自らの舌をねじ込み歯の裏をなぞり真木の舌と絡める。 突然のキスに驚いた表情の真木だが 次第に微睡んでいった 「ん……ふっ……ぁ……。」 嗚呼、エロい…… 誰も知らない真木が目の前にいる。 「ぁ……んぁ……はぁ……。」

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