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第58話

えっと……何だ、コレ……?? なんで兄が自分にキスしてるんだ? 一体どこで間違ってしまったんだ? 玲の熱いキスを受ける真木は混乱していた。 好きでいてやってもいいと言ったがキスされるとは微塵も思わない為止めさせようと彼の胸に手を押し当てるも玲のキスがかなり上手いため押し退けられない。 寧ろ気持ちいいと、もっとして欲しいなんて思ってしまった。 ようやく玲の唇が離れると少し名残惜しいと感じたがふと、我に返った。 「な、な、な………何、して……」 「何ってキスだ。 真木があまりにも可愛いことを言うから 我慢できなかった。」 さらっと満足気にそう言う玲にぽかんとしてしまう。 「いやいやいや、俺一言も付き合うなんていってねぇよ? なのに口にキスとか何考えてんだよ!?」 「なんだ、お兄ちゃんはてっきり愛の告白をしてくれたのかと思ったぞ。 まぁだが、いっそ俺のものになってしまえばいい。 大丈夫だ、お兄ちゃんが全て責任を持つ だからこのままセックスまで……」 「黙れ!!」 「ぐはっ……!!」 とんでもないことを声高らかに言うから思わず顔面にパンチしてノックアウトしてしまった。 自分は悪くない。 「や、ごめん……冗談だ。 少し舞い上がってしまっただけで その、機嫌直せ、好きなものを何でも買ってやるから。」 そう、必死に許しを乞う姿に流石の真木も仕方無いと思うのだった。 何だかんだ愛しい人なのだと思う。 どんなに憎いと思ってても嫌いには決してなれない。 「別にいいよ、 考えてやらなくも、ない……と思う……かも…………。」 もごもごと目を合わさずに付き合う事を考えてもいいと遠回りにそう言うと玲は目を見開いて驚いた顔をしそして微笑みを浮かべた。 その笑みがあまりにも綺麗だからドキッとした。 本当に自分はどうにかなってしまったようだ………。

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