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第60話

今父の実家がある福岡の八女市と言うところへやって来ていた。 お茶畑がいっぱいの田舎だ。 祖父母の家に着くとすでに親戚も来ていた。 「あら~いらっしゃい。 玲ちゃんはまた一段と男前になって。」 祖母が兄、玲に熱視線を向けている。 更に今度は伯父の奥さんまで玲の所に来た。 「それに玲君頭いいし あんたも見習わんとね。」 「俺も成績は中の上くらいあるけんいいの。 そこそこで十分。」 伯母が真木達の従兄弟で自身の息子、(せい)とそんな会話をしてる。 因みに伯父家族は福岡市内に住んでるそうだ。 「真木ちゃんも少し背伸びたかしらね。」 祖母が真木にも目を向けるが 兄とは違いなんだかよそよそしい。 まぁ、それもそうだろう。 「真木のその頭はなんね。 金髪やんか。 去年は茶髪やったろ? どんどん不良になってくな。」 伯父が誰も触れなかった真木の髪の色を指摘してきた。 これだからここに来るのが憂鬱だったんだ。 皆嫌な顔をするのだから。 「いいんじゃね?俺は似合っとうと思うよ。」 そう後ろから聖が真木を見てニコッと微笑んだ。 聖は玲よりの1つ上でいつもへらへらとしているが優しくていざというときは頼りになるお兄ちゃんなんだが…… 「なんだやっぱお前も来たのか。」 「アハハほんとお前性格悪いよな。」 玲は何故か聖が嫌いらしくよくこうして突っかかる。 このままでは喧嘩になりそうな雰囲気だから、真木は巻き込まれたら面倒だと部屋に行って荷物の整理をし、ベッドへダイブした。 そしてうつ伏せになりながらスマホいじりを始める。 「何しよーと?」 「うわっ!!」 聖がいきなり後ろから真木の上に覆い被さってきた。
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