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第61話

「聖?んだよ、いきなり。」 「何って久々に会ったけん真木と戯れようと思っただけだけど?」 そう言って真木の頭をくしゃくしゃと掻き回す。 「ちょ、やめ……」 「アハハ真木はからかい甲斐があるのは変わらんよな~可愛い!!」 聖は優しいが昔からよく真木を弄って来るとこがある。 「そう言えば聖は進路どうすんの? もう高3だろ?」 「うん。まぁ地元の大学かな。 特にやりたいことも無いし大学でなんか見つかればいっか~的な?」 「随分テキトーだな。」 「ん~、そんなもんやろ。 大学に行く前から明確にやりたいことが決まってる奴なんてそんなおらんって。」 確かにそれもそうだ。 俺も同じだ。特に夢も無いし、やりたいこともない。 「真木は?高校どうよ?」 「まぁ、ぼちぼち。」 「そっか、でもさ、中学とは違って義務教育じゃないけん退学とか留年には気をつけろよ。」 「……余計なお世話。」 まぁ頑張れと再び頭をくしゃくしゃと撫でる。 玲と同じで真木に対しては世話焼きだ。 すると部屋のドアが開き玲が入ってきた。 「……おい聖!!真木から離れろ!!引っ付くな。」 「何で?いいじゃんイトコなんだし。 それに久しぶりの再会なんやけん。 なぁ真木?お前もそろそろ弟離れせんと嫌われるぜ?」 「うるせぇ兎に角離れろ。 真木こっちにおいで。」 「ちょっと兄ちゃん?」 玲は聖を引き離し真木の手を引いて部屋から出ていった。 全く、何故こんなに仲が悪いのか…… 本当に面倒だ。

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