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第63話

一緒に入ろうとする二人を制止しゆっくりと風呂に入った。 「はぁ~疲れた。」 だから嫌なんだここに来るのは。 親戚には色々言われるし兄と聖は仲悪いし。 風呂から上がり部屋へ戻るとベッドで寛いでいた玲が真木を見て目を丸くする。 「コラ真木!!髪乾かさないと駄目だろ!!」 「別にいいじゃんその内乾く。」 「駄目だ、風邪引くだろ。 ほら俺が乾かしてやるからおいで。」 洗面台の所に連れてかれ玲にドライヤーで丁寧に乾かしてもらう。 頭を触られ何だか気持ち良くなって少し眠くなってきた所に玲が話し掛けて来る。 「真木1つ言っておきたいことがある。」 「何?」 「聖に近づくな。」 「何で?」 「お前は気付いてないかもしれないが あいつは兎の皮を被った狼だ。 お前も下手したら襲われるぞ!!」 そう玲は真剣に話しているが聖は昔から仲の良い従兄弟だし同じ屋根の下で過ごしているのだから近づくなと言うのは無理な話だ。 そもそも男同士なのに気にしすぎだと思う。 「あり得ねぇ聖が男の俺を襲うかよ。」 「そう言うがな、現にお前を性的な目で見ている男が学校にいるんだ。 俺がどんだけ奴等を牽制してると……」 「………。」 一人ぶつぶつと不満を呟き始め収拾がつかなくなってきたので分かったからと了承する。 そして真木の髪を乾かしていた玲は終わったよとドライヤーのスイッチを切り その後真木は部屋に戻りベッドの上でスマホいじりをしていると部屋に聖が入ってきた。 「何?」 「いや、今日は真木と寝よっかな~と?」 「……無理!!」 「何で?前は一緒に寝よったやんか。」 流石にそれは玲が許さないだろう。 第一さっき忠告されたばかりなのだから。

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