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第66話
もうすぐ父の妹家族が来ると言うことで聖が真木達を起こしに来たようだが、
真木と二人きりの空間を邪魔された玲は不機嫌だ。
「なぁ玲?何?俺何したよ?
何か知らんけどごめん……お~い……玲?
無視かよ。」
聖もよくもまぁこんな状態の玲に絡むもんだ。
いつブチ切れて怪我人が出てもおかしくないこの状況下でピンポーンとインターホンが鳴り
叔母達が来たようだ。
そしてバタバタと足音を立て玲お兄ちゃ~んと玲に抱きついてきた小さな女の子。
いとこの綾乃 で8歳の彼女は、玲のことが大好きらしい。
流石に不機嫌な玲も小さな女の子を邪険にするわけにはいかず笑顔で頭をよしよしと撫でる。
「あのね綾乃ずっと玲お兄ちゃんと会えるの楽しみだったの。」
「そっか!!俺も楽しみだったよ。」
と当たり障りない言葉を返す彼に
綾乃の目は凄い輝いてる。
それからというもの彼女は玲にベッタリであんなに不機嫌だった玲も機嫌を直さざるを得ない。
端から見たら微笑ましい光景だが綾乃は真木や聖が話しかけても無視で玲しか見えてないみたいだ。
それに真木と玲が話をしようもんなら
横から綾乃が玲に話しかけ自分に気を反らそうとする上、真木を睨んでくる
「……なぁ綾乃ちゃん、お兄ちゃん真木とお話ししたいんだけどちょっとだけ離れていいかな?」
「やだ!!綾乃ずっと玲お兄ちゃんといたい。」
そう言って綾乃は玲の腕にぎゅっとしがみつく。
「…………。」
機嫌が直りかけてた玲も流石にイライラし始めた。
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