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第70話

真木にキスした聖は何もなかったように接してきてそのまま家に着いた。 真木がただいまと言った途端玲が飛んできて抱きついてきた。 「真木~聖に何かされなかったか? 大丈夫か?お前の貞操は無事か!?」 「……………。」 ごめんなさい兄ちゃん…… 俺、聖にキスされました…… なんて言えるわけもなく 「おい玲失礼な!!俺がそんな事するような奴に見えるか。」 ぬけぬけとよく言う聖に ほんとに何もないように言いやがってと、多少の殺意が湧いたが 真木もこの事を玲に言えないのは事実。 「ほんとに何もされてないんだな真木?」 「えと……うん。大丈夫……」 罪悪感を感じつつ聖を睨むが そんな聖はこちらに笑顔を向け飄々としている。 本当にムカつく。 その後夕飯を食べて聖は先程買った花火を取り出した。 「お~いそろそろ花火せん?」 そう言うことで真木、玲、聖、綾乃ですることになり外へ出る 外へ出ると街灯に蛾やら小さい虫がうじゃうじゃと集まってる。 他にも蛙の鳴き声なんかも聞こえてくる。 「虫……。」 そう呟いた玲。 一見苦手なものがなさそうな彼だが虫は苦手だ。 逆に真木は近くにいたカナブンを掴んで手に乗せている。 「花火やってれば近寄んねぇから ほら玲、火着けるけんどいて。」 そう言って聖は蝋燭に火を着けた。 そして綾乃は相変わらず玲にベッタリで、真木にひっつけない悔しさで 彼は誰にも聞こえないように舌打ちをした。

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