85 / 194
第85話
お盆が過ぎ去り玲に手伝ってもらいながらようやく宿題を終えた真木。
多分こんなに早く終わるの初めてだろう。
今までどんだけやってなかったんだという話だが。
「流石真木、やれば出来るじゃないか!!」
真木を褒めてるつもりかもしれないが殆どは玲に手伝ってもらったのだからそれで褒めてもらっても正直嬉しくはない。
「ああでも、あとちょっとで夏休み終わりだ。
てか俺結局蓮条達と夏休み会ってねぇし
行きたいと思ってた祭もいつの間にか終わってるし!!」
この夏のいい思い出という物はまだない。
すると玲がこんな提案をしてきた。
「じゃあ、どっか行こうか
デートに!!」
「でぇと?」
デートと言う言葉に一瞬何言ってんだこいつと思うもこの際デートでも何でもいいから遊びに行きたかった。
「真木はどこか行きたいとこ無いの?」
「行きたいとこね~………」
急に言われてもこれと言って思い付かない。
そんな時ふと、テレビを見てみると
水族館でよちよち歩くペンギンやイルカショーの様子が流れていた。
「水族館……」
「水族館、いいよ!!じゃあ明日行くか!?」
「え、マジで?てか明日!?」
「ああ、夏休みももう残り少ないし
行くとしたら早い方がいい。嫌か?」
「いや、いきなりだからびっくりしただけ……
うん。行く!!」
何となく呟いた一言で明日のデートの行き先が決定してしまった。
言葉は慎重に選ばないといけないと学ぶ。
「しかし真木とデートか……
楽しみ過ぎて今日の夜眠れなくなるな。」
「遠足前夜の小学生か!!」
そして翌日の朝。
「真木忘れ物はないか?」
「無いよ。つかどうせ持ってくものは財布とスマホしかねーし。」
「そうか、じゃあ行くか!!」
これから兄と共に水族館へ夏休みの思い出作りへと向かう。
ともだちにシェアしよう!