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第88話

兄が何故かこっちにこない。 2、3メートル程距離を取られる。 兄ちゃんも触ってみれば?と言ってもいや、俺はいい と断られるのだ。 「兄ちゃん……。」 「……ん?」 「はい!!」 「うわっ止めろ!!こっち持ってくんな!!」 真木がナマコを玲に近づけると必死で逃げた。 それを見て真木はニヤリを笑った。 「………兄ちゃん、触れないの?」 「………。」 そう、玲はこれらが苦手なのだ。 今まで兄に弱点なんてないと思ってた真木だが 思わぬところでその弱点が見つかったと喜ぶ。 「じゃあヒトデ!!はい!!」 「やめっ……それを俺に近づけるな気持ち悪い。」 「なんで?可愛いじゃん。」 「悪いが俺はそれを可愛いとは思えない。 その見てくれで動物とかマジで気持ち悪い!!」 どうやら彼は、ぬめぬめとしたものが駄目らしい。 そして今度は隣のエリアに目がいった。 「お!!ウーパールーパーだ」 触れ合いコーナーの横にはウーパールーパーが展示されていた。 展示されている前の説明を読むとこんなことが書かれていた。 「アホロートル?メキシコサラマンダー?」 「和名がメキシコサラマンダーって言って アホロートルが幼形成熟のことだ。」 「幼……何それ?」 「う~んと……まぁオタマジャクシに手足が生えた状態で大人になった奴のことだな。」 「ふ~ん……よく分かんねーけど可愛いなウーパールーパーって!!飼いたいかも……」 「………真木、生き物を飼うということは簡単なことじゃないんだぞ? 途中で面倒になるだけだから止めておけ。」 まぁ確かにご尤もなんだが……。 と言うかなんでそんな詳しいんだこの人……。 「兄ちゃんなんで少し離れてるの?」 「………別に深い意味はない。気にするな」 ああ、こう言うのも駄目なのか なんかいいこと知った気分だと優越感に浸った。

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