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第90話

真木たちは水族館にある食堂へと入り店員の案内でテーブルにつきメニューを手に取る。 「どうしようかな。」 「ゆっくり選んでいいぞ。 俺はそうだな、冷やしうどんにする。」 玲は早々と決め真木は暫く迷ったが豚カツを頼むことにした。 それから十数分。 冷やしうどんと豚カツが運ばれてきた。 「いただきまーす!!」 腹が減ってた分結構ガツガツと食べ進められる。 ふと真木は玲が食べてるうどんに目が行った。 ちょっと美味しそうだなと……。 「ん?どうした真木。 こっち欲しいか?」 じっと見てる真木に玲が気づいた。 「うん………味見したい。」 「いいよ。はい!!」 玲が真木の方にうどんを寄せてくれて一口自分の箸で食べた。 「うん。美味い!!」 「もっと食べたいならいいよ。」 「いや、十分。」 玲にうどんを返すが貰ってばっかじゃフェアじゃないと真木は思った。 「兄ちゃん俺の食う? 俺ばっかじゃなんか悪いし」 「いいよ別に、俺が好きで真木にやってるんだから。」 「じゃあ俺も好きで兄ちゃんにやる!! はい。」 玲の口のところにカツを自分の箸で持っていく。 「…………」 だが何故か兄は固まってしまった。 「何か喋れよ!!」 「いや、真木にあーんって……… お兄ちゃんキュン死する。」 今自分のやっていることに気付き物凄く恥ずかしくなった。 「うぜぇ……いいからさっさと食えよ。 いつまで俺にこの体勢にさせとく気だよ!!」 「うぐっ……。」 中々食わない玲の口に無理矢理突っ込んだ。 「うん……美味しい。」

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