93 / 194

第93話

機嫌の悪い真木を不思議そうに首を傾げる篝に眉を顰めた。 劇でヒロインをやるなど屈辱以外の何物でもないのに自分の口からは死んでも言いたくなかった。 「別になんでもない。」 「そう? 文化祭でやりたくないことやらされる事になったのかなと思ったんだけど。」 その通りです。 「まぁいいや、くれぐれもサボっちゃ駄目だよ? 君、ホントに留年しちゃうから。」 それだけ言って彼はさっさと教室に戻っていった。 仕方なく真木の教室に戻ったのだがそれは間違いだった。 「はぁ…はぁ……。」 「あ、おい!!いたぞ!!捕まえろ!!」 「ヤベッ。」 真木は走った。 走って……。 走って……。 「おっと、こっちには逃げられないぜ?」 真木の前に立ちはだかるのは蓮条。 「この野郎……俺を裏切ったな!!」 「失礼な、お前が往生際が悪いだけだろ。」 そんなことを言ってる間に後ろには数人で逃げ場を塞いで真木を追い詰める。 「もう逃げられないぜ。」 「くっそ……。」 真木は逃げられないよう腕と肩を掴まれ連行されてしまう。 「離せ!!離せこの野郎!!」 「コラ暴れんな 怪我するぞ。」 必死に抵抗するがそれも虚しく教室に連れていかれてそこで待ち受ける女子達。 「い、嫌だ……止めろ!!」 必死に訴えるが聞き入れてもらえず服を脱がされ真木のキレイな肌が露になった。 「いい加減諦めろよ。 決まったことだ。」 「知るかよ。 兎に角、俺は白雪姫なんてやらねぇ‼ 採寸なんてぜってぇさせねぇからな!!」 そうです。 真木は文化祭で使う衣装を作るため採寸をしようとする女子から逃げ回ってたのだ。 そしたらいつの間にかクラス全員が真木の敵に回っておりこうして捕まえに来たのだ。

ともだちにシェアしよう!