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第96話

文化祭の準備は忙しなく過ぎて行きあっという間に文化祭が開催されようとしている。 先ずは先生や生徒会長である篝の挨拶があり その後はクラスのそれぞれの出し物の準備。 「キャー!!」 「可愛いー似合う!!」 「………」 女子達に白雪姫の衣装を着せられてカツラとメイクをされ真木は今鏡の前だ。 ……何と言うか、女子のメイク術って凄い。 自分で言うのも何だが女にしか見えなくてかなりショックだ。 そして周りを見てみると王子様姿の蓮条が恥ずかしそうにため息をついている。 「この格好クッソ恥ずいんだけど。」 王子役に抜擢された蓮条だが、本当は目立たない裏方が良かったらしいが一番王子様っぽいと言う女子の強い意見で決定したのだが……。 「お前何言ってんだよ。 俺なんか白雪姫だぞ? 嫌なら変われや!!」 「ああ……うん、悪かったな。 遠矢、凄く似合ってるぞ可愛い。」 真木を見て同情する彼に逆にイラッとする。 そんな中で遂に劇が体育館にて始まった。 15分間の公演が午前と午後の二回でその午前の部が開幕する。 「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰だい?」 先ずは妃の台詞から始まり物語は進んでいく。 そして遂に真木の出番がやってきて壇上へと上がると 歓声が上がった。 皆真木の噂を聞いてやってきたのだ。 なんせ遠矢兄弟は学校一美形な兄弟として知られ、真木の方は女より美人なんて言われ密かに男子に人気があるのだ。 観客の前で演技するのは物凄く恥ずかしく練習よりもぎこちない演技になってしまってはいるが話しが進むごとに段々慣れて来た。

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