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第99話

「真木、じゃあお兄ちゃんとお化け屋敷入ってみるか?」 満面の笑みで弟を誘う玲に真木は早く行きたいと頷くが そこで篝に止められた。 「待て玲!!君は客じゃなくて呼び込みする係だろう?」 「やっただろう?俺の仕事はもう終わりだ。」 「全く……。」 篝の制止も聞かず玲は真木の手を引いてお化け屋敷に入っていった。 「なぁいいの?仕事しなくて。」 「俺は十分やることはやった。 だいたいあんな面倒なことやってられるか。」 「………」 そんな会話をしている内に墓みたいな物がズラリと並んだ所へやって来たのだが ここ中々怖い しかしこんな状況でも平然と歩く兄。 まぁそもそも兄の所の出し物だし怖がらないのも当然だろうが。 真木は無意識の内に兄の袖をギュッと握っていた。 「クスッ、なんだ真木怖いのか?」 「べ、別に……怖くねーよ」 すると物影からガサガサと音がした。 「ひっ……」 思わず変な声が出てしまい玲がクスりと笑う。 「ふふっやっぱ怖いんだ?」 「うるせー‼こ、怖くないっつってんだろ!!」 必死に否定した直後に再び後ろから音がし振り返るが何もない。 そして前に進もうと前を向いた瞬間目の前に白装束を着た長い髪の女性が立っていた。 「ぎゃあああぁぁぁぁ‼」 いきなり現れた幽霊に驚いて真木はその場から走って逃げだした。 「あ、おい真木!!」 後ろで真木を呼ぶ声がするが構わず走り去ってしまった。 「はぁ……はぁ……」 暫く走ったところで足を止め一息つく そして回りを見渡しようやく気が付いた。 「あれ……ここどこ? てか兄ちゃんどこ?」 兄とはぐれてしまった。

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