102 / 194

第102話

ようやく暗闇から明るい所へ出られ 怖いお化けから解放され一安心した。 「てか明るいところで見ると可愛いのがよく分かるな!!」 そうゾンビこと松崎が真木を近くでまじまじと見てくる。 だがそこはブラコン兄、すぐさま彼を引き剥がした。 「おい、真木に近づくな。」 「いいじゃん見るくらい減るもんじゃあるまいし。」 「減る。」 「何が?」 「何かが。」 二人のそんなやり取りを真木は冷ややかな目で見ているとこちらに篝がやって来た。 「お前らこんなところで何をしているんだ?」 「うわっ篝!! 悪い戻る。」 素直にそう答える松崎とは逆に玲は 何か問題なのかと全く反省しない。 そんな中「あ、いた!!」と真木のクラスメイトの女子が真木を連れ戻しに来た。 「遠矢君早く戻ってよ!! 急にいなくなっちゃって探したのよ? さっきの反省会して午後の部はちゃんと成功させないと。」 腕を掴まれ足早に引きずられるように連れていかれる。 「ほら玲もさっさと自分の持ち場に戻って。」 今度は篝が玲の腕を掴んで持ち場へ連れていった。 はぁ……憂鬱だ なんでこんな女装して劇なんてやらなければいけないのか…。 女子に嫌々連れられていきながら 真木は深いため息を何度もついた。 「蓮条くんとのキスシーンの時はずっと目を瞑っていれば問題ないから。 客は凄く盛り上がってたからあそこは外せないし。 それに遠矢君の白雪姫、特に男子が興奮してて凄く好評だったみたいだから次はもっと頑張るわよ‼」 男子に好評ってこんな女装した男に興奮するのは何なんだ? 女を知らない童貞ばかりか? ………童貞と自分が言えた事じゃ無いんだけどな。 取り敢えず午後は無難にこなして何とか終わった。

ともだちにシェアしよう!