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第105話

『続いてエントリーナンバー七番 遠矢真木さん!!』 名前が呼ばれ一際大きな拍手が巻き起こった。 それに圧倒されるも気を取り直して クラスメイトの女子達に教わったウォーキングをしながらステージへと歩いていく。 中央へ行き俺は着ていたカーディガンを脱ぎ、それを観客に向かって投げた。 それを見た観客は騒然とそのカーディガンの取り合いになっている。 そしてカーディガンを脱いだ真木の身体は腰のベルトがより細さを強調しており彼を見る周りの人々はお~っと歓声をあげる。 最終的に誰がカーディガンをゲットしたのか興味も無い俺は最後に投げキッスをし手を振ってさっさと退場した。 「はぁ~疲れた。」 ステージ裏で深く溜め息を着いた。 少し歩いた抱けでも初めて履くヒールは酷く足が痛くなった。 「お帰り~遠矢君!!最高だったよ~!!」 女子達がキャッキャ言いながら真木に駆け寄ってくる。 「さっすが遠矢君!!み~んな遠矢君に釘付けになってたよ!!」 「ああ、そう……。」 適当に相槌を打つ真木はなんでこんな馬鹿げた事を引き受けたのかと、二度とこんな事はしないと心に決めたのだった。 ステージ裏で椅子に座り靴を脱いで寛いでいると審査の結果が出たようで周りが騒いでいる。 「遠矢君おめでとー1位通過だよー!!」 出場者に点数が付けられ5人が審査員に選ばれ どうやら真木が一番審査員に気に入られたようだ。 まぁ審査員に篝がいる時点でハンデ貰ったようなもんだから多少点数は上だと思ってたが、 まさか1位通過とは……。 しかし女装で評価されても嬉しくはない為 ため息が漏れる。 そんな中「遠矢君お客さんだよ~」と呼ばれ 行ってみると真木の投げたカーディガンを持ったよく知ってる男が満面の笑みでそこにいた。 「よう!!真木!!」

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