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第106話

「…………」 真木のカーディガンを片手に満面の笑みで俺に駆け寄ってくる男、それは……。 「流石真木だ。俺のいる場所分かっててこのカーディガン投げたのだろう?」 「うん。偶然だから兄ちゃん。」 なんと兄、玲がカーディガンをゲットしていたのだから驚きだ。 「偶然で俺の方に投げたって事は やっぱ俺らは運命の赤い糸で結ばれてるんだな。」 「はははっ。」 この人には何言ってもポジティブにしか受け取らないから面倒くさいし適当に流す事にした。 「しかし真木、お兄ちゃんは心配だ。」 「は?」 眉間に皺を寄せ深刻そうな顔をする。 「真木が可愛すぎて変な虫が大勢たかってくる!!」 どうやら玲は真木に男が寄ってくると心配でしかたがないと言うことらしい。 と言ってもいざとなれば得意の喧嘩で対処するつもりだから心配する必要はないのだが彼はそれでも不安だし、自分以外が近づくことが不快らしい。 「いっそ真木は俺のものだと周りに脅しをかけておけば寄り付かないか?」 「何言ってんの? 変なことすんなよ? もうこえーから俺の監視下にいろよ!!」 「監視下にいろと言う事は俺が常に傍にいていいと言うことか?」 「………間違えた。」 玲が血迷った事をしないように目が届く範囲で見張りたいと咄嗟に言った言葉だが玲は都合のいいように捉えてしまった。 「うん、そうだな。 真木にはお兄ちゃんが着いて守るよ。 真木は可愛い事言うな。 今すぐキスしたい!!」 「いや、止めろ!!」 そんなことをしている間に会場では投票の集計も終わったらしい。 ついに発表と言う司会の言葉が聞こえた。 『さ~遂に結果が出ました。 まぁ圧倒的な差で皆さん予想はついているとは思いますが一応発表します。』 少し間を置き発表される。 『エントリーナンバー…………』

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