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第107話

『エントリーナンバー七番、遠矢真木さん!!』 真木の名前が呼ばれ会場全体が歓声に沸き上がる。 「まぁ、当然だな。 皆真木の足元にも及ばない連中ばっかだったし。」 真木の隣で冷めた目でそう答える玲。 するとここへ女子達が来て真木に早くステージに戻るよう促され慌ててステージへと戻った。 『おめでとうございます遠矢君。 感想を一言!!』 「え、えっと……俺ちゃんと男だし……。」 そんな本音を漏らすと会場は何故か大盛り上がった。 そして用意されていたトロフィーを前年の優勝者、和田から受け取る。 「ふふっこんな可愛い弟さんがいたなんてね。」 恐らく玲の事を言ってるのだろう。 「まぁ、あんま似てませんけど。」 「確かにお兄さんとはタイプが違うね。 玲君は大人の色気を感じる。」 「ははっ。」 それは俺がお子さまって言いたいのだろうかと少々イラッとした。 「ああ、勘違いしないでね? 君は玲君と違って可愛いって意味だから。」 それ、誉め言葉として受け取って良いのだろうか? 「真木君、女装コンテスト優勝おめでとう。」 「あ、ありがとうございます和田先輩……。」 表彰式が終わると真木の周りに沢山の人が群がってきた。 「おめでとう!!」 「ねぇ、一緒に写真撮って!!」 「俺と付き合ってくれー!!」 色んな言葉が飛び交っていたが 相手にするのは面倒なので何とかこの場から逃げようともがいてる内にやっとの思いで抜け出すことに成功した。 人気の無い校舎裏に避難していたところ、聞き覚えのある声が2つ耳に入ってきた。 校舎の影に隠れて見てみるとそこにいたのは 和田と兄だった。 確か和田は玲の事がが好きだったのだと聞いたから真木は気になってそのまま聞き耳を立てることにした。

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