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第109話
真木はなんだかいたたまれなくなって二人に気付かれないようその場を離れ
その途中で蓮条と二階堂に遭遇する。
「お、やっと見つけた。
お前何処行ってたんだよ
皆探してたぜ?」
「探してたぜって言われても
俺は皆から逃げてるわけで。」
「だろうな、
あんなヤローばっかに囲まれて嬉しいわけねぇもんな。」
正直今は二人にも会いたく無かったんだが……。
しかもこんな女装と言う格好というのは最悪だ。
「しっかし可愛いな~。
もういいや男でも、俺と結婚__ウギャッ‼」
二階堂が最後まで言う前に真木は顔面に蹴りを食らわしてやった。
「だぁれがてめぇとなんざ結婚するかよ。」
「ああ、お前には兄貴がいるもんな~。」
今度は蓮条が真木の肩にポンと手を置きニヤニヤしている。
「…………」
ホント嫌な友人を持ったと後悔する。
すると蓮条は何かに気づいて遠くを見ている。
「っと噂をすればお兄様登場だ。」
「え?」
蓮条に言われ後ろを見てみると玲の姿が遠くに見えこちらに駆け寄ってきているのが分かる。
「んじゃ、俺らは退散しますか。
行くぞ二階堂。」
そう言って二人は散々人をからかってさっさとどっかへ行ってしまった。
「真木!!こんなところで何してる?」
「兄ちゃん。
いや、あの人混みから逃げてきた。」
「そうか大変だな。」
そう真木の頭を優しい大きな掌で撫でる。
なんだかここまで尽くされているとたまには彼の想いに報いてやらないとバチが当たりそうだと思った。
「真木?」
「兄ちゃん………」
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