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第115話
「ねぇ遠矢ちょっといいかな?」
昼休みに入るや否や玲に声をかけてきた同じクラスの進藤光樹 。
「何?」
「うん。ちょっと一緒に来て欲しいんだけど。」
「用件を言え。」
「だからここじゃ言いにくい事なんだって。」
「言いにくい事ってなんだ?
俺は面倒なことは御免なんだよ。」
面倒な事はやりたくない。
それに早く真木の元へ行きたいのに。
「そんなたいした事じゃないから。」
「だったらここで言えばいいだろう?」
今日はただでさえイライラしているのにこのしつこさは何なんだ?
「ああもう来てってば!!」
「お、おい!!」
進藤に腕を掴まれ無理矢理連れ出され人気のない使われていない教室に連れてこられようやく腕を離された。
「おい!!何なんだよ痛てぇな。」
「ごめん。
でも、来てくれないお前が悪いんだよ?」
こいつ若干聖と似てて苦手なんだが、なんだろうか、嫌な予感がする。
「それで、用は何だ?」
「うん。俺、遠矢が好きなんだ。」
「…………は?」
「だからお前が好きなんだって
でもお前って誰とも付き合わないって噂があるし
和田先輩もダメだったって聞いたし
多分俺とも付き合ってはくれなさそうだから。」
「だから?」
「朝、廊下で篝と喋ってたろ?
欲求不満なんだ?」
「…………」
ニタッと笑みを浮かべる進藤がジリジリと俺の方へ迫ってきて壁に追い込まれた。
嫌な予感がすると思っていたが見事に的中してしまった。
そして先程余計なことを口にした自分を恨んだ。
玲を見下ろす彼に肩をガッシリと掴まれ、それを振り払おうとするもびくともしない。
そりゃそうだ、進藤はバスケ部で190㎝ある長身で力も強い。
そして彼の顔が近づいてきたかと思えば口を塞がれた__
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