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第117話

「え……… ………兄ちゃん?」 「ま、真木………?」 突然目の前に現れた真木に玲は頭の中が真っ白になった。 だってこんな場面を見られたのだから。 「ま、真木…これはだな……」 「ごめん…邪魔して………。 じゃあ………。」 「え、ちょっ…待て真木!!」 そう言って扉を閉め走り去る足音が聞こえた。 マズイと思い進藤をどうにか押し退け 後を追おうと扉を開けるも既に真木の姿は無く教室や屋上、学校中捜し回るも見つからない。 「いない……ってことはまさか学校から出てったのか?」 それしか考えられない。 真木はよく学校サボって遊んでたりしていたから。 「最悪だ!! まさかあんな所を見られるなんて。 しかも完全に勘違いしてる。」 何とかして誤解を解きたいと思うも 何を言っても言い訳にしか聞こえないだろう。 しかし進藤は余計なことをしてくれた。 元はと言えばあいつのせいじゃないか。 すると噂をすれば進藤が後ろから「よう!!」と飄々と声をかけてきやがった。 「てめぇマジで余計なことをしてくれたな。」 今にも人を殺しそうな目で進藤を射抜くも彼は笑みを見せてきた。 「あれ弟だろ? 完全にそう言う仲だと思ってたな。 ってことでいっそこのまま突っ走ろうぜ?」 「冗談じゃねぇよ。 俺はな、真木以外興味ねぇんだよ。」 「お前ブラコンの限度超してるぜ?」 「だから何だ?」 「ああ…マジなんだ……。 まぁ俺はそれでもお前が好きだけどな 諦めねぇよ?」 「知るか!!俺はお前が心底嫌いだ。」 早く、早く真木に会わなければ……。

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