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第118話

朝真木は教室に行くと大勢のクラスメートたちに囲まれた。 どうやら昨日の女装コンテストで優勝したことでみんな寄ってきたようだ。 「優勝おめでと~。」 「ねぇ遠矢君握手して‼」 「遠矢オレと付きあってくれ‼」 そんな様々な声が真木に押し寄せ大騒ぎになって当の本人は唖然としてタジタジになっている。 それを見ていた蓮条と二階堂に助けを求めようと目線をやるが ヒラヒラと手を振られるだけで何もしてくれない。 あいつら完全に楽しんでやがると真木は助けを諦めた。 どうしようかと悩んでいるとチャイムがなり 先生が教室に入ってきたことで教室はようやく静かになった。 これで助かったのも束の間、1時限目が終わるのと同時に皆がまた寄ってくる。 このままでは自分の身が持たないと思い昼休みは人気のない所へ逃げようと使われていない教室へ向かった。 扉の前に行くと聞き慣れた声が聞こえ開けてみると そこには兄が知らない男の人とイチャイチャしているのが目に入った。 「え……… 兄ちゃん………?」 何で? こんな誰もいないような場所で…。 真木は何が何だか分からなくなって とにかくここに居たくなくて扉を閉めて逃げた。 その途中で蓮条と二階堂に遭遇する。 「あ、真木!!お前何処に行ってたんだよ。 探したんだぜ?」 「…真木?」 真木の異変に気づいたようでどうかしたのか訊ねてくる。 「別に……俺今日もう学校サボるから。」 「え?何?なんかあったの?」 「………。」 「まぁいいや、俺らも付き合うぜ」 「ん、ありがと。」

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