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第119話
結局この日真木は学校に再び戻ってくることはなく家に帰ってきたのも9時近くだ。
「お帰り、遅かったな。」
「…………。」
玲が真木に話しかけるも答えるどころか目も合わせてくれない。
それに真木の手の甲に見えた傷は恐らく喧嘩で出来た傷だろう。
八つ当たりなのだろうか?
だとしたらかなり怒ってる。
これは非常にマズい。
何とかして早期に誤解を解かなければ真木に触れることすら出来なくなる!!
「ま、真木……今日の事なんだが
あれは誤解だ!!相手が勝手に言い寄って来てだな。」
「だから?俺には関係ない。」
関係ない。
その言葉はかなり堪える。
「俺はお前しかいらないんだ。
だから___」
「もう話しかけて来んな!!
ウザい。」
そう言って部屋に引き込もってしまった。
何を言っても無駄なのは分かっていた筈なのに真木の事となると冷静になれない。
挙げ句話しかけて来んなと言われた。
結局真木とこれ以上話すことも出来ず次の日を迎えた。
「真木、そろそろ行かないと遅刻する。」
「……………。」
真木の部屋のドアをノックするも返事はない。
朝、真木は部屋にこもったまま出てこない為
俺は一人で学校に行くこととなった。
その途中真木の友人に声をかけられた。
「あ、遠矢のお兄さんだ。」
「ああ、確か蓮条修と二階堂優馬だっけ?」
「わぉ覚えててくれてたんスか?
てか遠矢は一緒じゃ無いんスね。」
ニヤニヤとこちらの顔を除き混む二階堂
事情を知って楽しんでるようだ。
「……………言っておくが不可抗力だ。
俺は望んでない。」
「って言っても遠矢は信じてないっぽいよ?」
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