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第121話
この日真木は学校を休んだ。
玲に会いたくもないし誰とも会いたくないが部屋に引き込もってばっかりでも
何もすることが無くて暇だった。
部屋から出ると家には誰もいない。
多分母は買い物で当分帰らないと思う。
近所の人との世間話は長いから。
とは言えもう昼だ。
そろそろ腹減ってきた。
冷蔵庫を見てみると見事に何もない。
だから母も買い物に行ってるわけだが。
「どうすっかな~。」
悩んだ末コンビニに行くことにした。
おにぎり二つとコーラを買いコンビニを出ると
近くの公園で飲食した後わざわざ外に出てきたのだから街をぶらぶらすることにした。
とは言え一人じゃ特にすることも無く家に帰ろうとしたその時見覚えのある人物が目に入った。
「和田先輩?」
学校の OBの和田を見つけ真木が声をかけるとこちらを振り向いた。
「あれ、君って確か遠矢真木君かな?
女装した姿しか見たことないから
一瞬誰か分からなかったよ。」
「……ははは。」
もう二度と女装なんてしないと誓う。
「けどどうしてこんなところにいるの?
学校は?」
「ああ……サボり?」
「ダメだよさぼっちゃ。」
「そう言う先輩はこんなところで何してんの?」
「僕は大学の帰りだよ。
午前中で終わったからちょっとお店とかに寄ってみたりね。」
「ふ~ん…。」
「それより学校サボってたらお兄さんが心配するんじゃない?」
「…………心配してるわけない
どうせ今ごろ他の男とイチャイチャしてるんじゃないの?」
兄というフレーズが出たとたん気分が悪くなる。
「え、何それ?」
「………。」
もうどうでもいいと真木は学校で見た光景を話した。
そして兄が自分に好意を抱いていることも。
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