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第124話
その後真木は泉といろいろ話をした。
と言っても主に兄の悪口を泉さんにぶちまけただけだが。
「あ、ごめん…なんか愚痴ばっか。」
「いや?面白かったよ。
僕の知らないお兄さんを知れて
意外だよね、彼って普段クールで何にも動じなさそうなのに。
弟に対して一喜一憂、感情豊かなんだ?」
確かにそれはよく言われる。
普段の兄の様子を人に話すと決まって皆同じようなことを言う。
とても大人びていて感情で動くように見えないと。
「あ、そういえば家に泊まるのなら着替えとか必要だよね?シャツとズボンはあるけどサイズ大丈夫かな?
でも下着は新しいの買わないと」
「ああそっか、着替え……
じゃあ買ってくる。」
「え?一緒に行くよ。」
泉がそう言うからわざわざ付き合って貰って悪いと思いつつ一緒に下着を買いに出掛けた。
近くのスーパーに行って一番安いものを適当に選んで下着を買った。
レジを離れ辺りを見渡すも泉の姿が見えない。
店の外に出ると向かいのお店に泉を見つけた。
「泉さん、何してんの?」
「あ、ねぇこれ真木君に似合いそう!!」
泉が手にした洋服が上から下まで揃ってる。
なんだか楽しそうだ。
「上はこれで下はこれ、似合うとおもうんだけど……。
あとこの上着を羽織って………
取り合えず試着してみてよ。」
はいっと泉が選んだ服を渡され試着室に入った。
これを買うつもりはないが断れるわけもないので試着だけ。
そう思って着替えて試着室のカーテンを開ける。
「どう…かな……。」
「凄く似合うよ
じゃあこれ買おっか!!」
「えっちょっと待って。」
「ん?もしかして気に入らない?」
「いやそうじゃなくて」
むしろ気に入ってるし
彼、とてもセンスいいし。
「予算オーバー
俺そんな持ってないから!!」
「何言ってんの。
僕が買うよ。」
「え?いやいやいや俺の服だし自分で買うって
そこまでしてもらうのは悪いから。」
「いいんだって僕が勝手にこれ真木君に着せたいだけだから。」
そう言って泉はレジへと向かいお金を払ってくれた。
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