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第128話
「……やっぱ行かないとダメ?」
「当然。」
「…………。」
行かないといけないと分かっていても
兄に遭遇する確率の高い学校に行くのは正直気乗りしない。
むしろ行きたくない。
とは言え泉が学校は行きなさいと言うから
仕方なく行くしかない。
「真木君、はいコレ。」
「?」
泉に何か握られた手を差し出され掌を出すとカギを渡された。
「どうせ家に帰る気無いんでしょ?
合鍵持ってていいから。」
「え、いいの?俺なんかに渡して。」
「うん。真木君は僕にとってもう弟みたいなものだし。」
「ありがとう泉さん大好き!!」
大好きと泉に思わず抱きついてしまったら頭をポンポンされた。
ここまでしてくれるんだから学校に行かないわけにはいかない。
一緒に家を出て泉は大学へ行くため真木とは途中で別れた。
学校が近づくにつれ辺りをキョロキョロと見渡し兄がいないか確認しながら先を急いだ。
なんとか兄とは遭遇せず教室に入ることに成功し、ふぅ~とため息をつきながら自分の席に着くと待ってましたとばかりに蓮条と二階堂がやってきた。
「よう真木お兄さんとはどうよ?」
二階堂が楽しそうに訊ねてくる。
「……何もねーよ。
てか家に帰ってねーし。」
「え、そうなの
まさか何処の誰ともしれない男とホテルで一夜……」
「なわけねーだろバカ!!」
まぁ男の人と言うのはあってはいるだけに少々動揺した。
けれど泉はそんな人ではない。
「ま、別にいいけど
兄貴とは1回ちゃんと話した方がいいかもな。」
「てかあんまこっちの事情に首突っ込むなよ。」
「んだよ、折角アドバイスくれてやってんのに。」
「余計なお世話。」
あまりいろいろ言われるのは好きじゃない。
出来ればそっとしといてほしい。
「ま、いいよ。
けど、後悔するようなことはすんなよ。」
「ん、サンキュー。」
蓮条が真木の肩をポンと叩き自分の席に戻った。
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