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第132話

身体がだるい……。 家に帰るなりベッドへ倒れ込む玲は今日も結局真木と会うことさえ出来なかった為か、真木成分が不足しすぎてどうも体調が良くない気がしていた。 するとブブブッと電話のバイブ音が鳴った。 スマホを手に取るとそこには知らない電話番号が画面に映し出されていて出ようかどうしようかと迷うも電話に出てみた。 「はい……」 『もしもし遠矢君?』 「え……、その声、和田…先輩?」 思いもよらない人物からの着信に心臓が跳ねた。 何故この電話番号を知っている? それに彼の傍には恐らく真木もいるだろうし。 『篝君から聞いたんだ君の電話番号。 ごめんね。』 「いえ……」 『あのさ、真木君のこと、要らないなら僕に頂戴?』 「は?」 要らない?頂戴? 彼の意味不明な言葉に玲の声は低くなり眉間に皺が寄る。 『だって遠矢君他の男の子と仲が良さそうに手を握られてたじゃない? それ、不可抗力なの?』 手を握られてた? なるほど進藤かのことか。 と言うことはあれを真木に見られてたのか? 「……不可抗力です。 あいつ190㎝近くあってバスケ部のエースですよ? 俺が力で勝てるわけないでしょう。」 『どうだろうね。 君って結構運動能力高いでしょ?』 「………ああもう面倒なんで1回真木に会わせてください。」 和田と話してても埒があかない。 真木と話したい。 『………そうだね。 本当に君が嘘をついていないなら真木君がいつまでも勘違いしたままじゃ可哀想だし。 明日は休日だしゆっくり話せばいいよ。』 「ありがとうございます。」

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