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第136話
泉が帰っていき真木と玲は二人きりになった。
けれど最近二人になることもなかったからなんだか気まずくて沈黙の間ができる。
「大好き…ねぇ……」
「え?」
沈黙を破った玲がふと呟いた。
「随分先輩と親しくなったようで。」
先程の泉に言った言葉が引っ掛かる様子だ。
「……えっと………そりゃ色々世話になったし
服まで買ってもらったし……あ、鍵返すの忘れてた!!」
「鍵?」
「あ…うん……合鍵貸してもらってて……今度返さな……い…と………」
眉間に皺を寄せて不機嫌な顔になり真木を睨むように見てて怖い。
「や……でも……俺、やっぱ兄ちゃんといる方が落ち着くな、うん。」
真木なりの精一杯のフォローだがこんなので機嫌は直らないだろうなと玲の顔を見ると頬を染めて目が潤んでいた。
「真木俺もお前の傍が一番落ち着く。
お前じゃないと駄目なんだよ俺は。」
「兄ちゃん……」
「家、帰ろっか。」
「うん。」
どうやら機嫌が直ったようだ。
単純な人で助かった。
帰りは人目を憚らず手を繋いで帰って
久々に握った兄の手は温かかった。
家に帰るなり真木は玲にお姫様だっこされベッドへと連れてこられ、ベッドへ下ろされるのと同時にキスをされる。
「ん……はぁ……に、兄ちゃん……母さんは?」
「…母さん今日は友達と出掛けて夜遅くなるって……だから…大丈夫……」
そう言って玲は真木の服を脱がし俺の身体を舐める。
「はっ……あ……ん……や…だ…やめっ…」
今日の玲は息づかいが荒くなんだか身体も火照っているようだ。
それになんか余裕無さそうな……
すると玲は顔を真木の胸に埋めてきた。
「に、兄ちゃん……?」
「はぁ……ごめん……ちょっと身体が怠くて……」
「え?」
真木は辛そうにしてる兄を自分の上から退かし体温計を持ってきて測ってみると38.2℃だった
道理で熱いと思った。
そう言うことなので今回もお預けとなったのだった。
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