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第144話
「あ~クソっ!!」
可愛くないぬいぐるみを狙うのはこれで5回目。
取れそうで取れないがそれでもだいぶ動いたのでここで諦める気はない。
「じゃ、俺がやってみる。」
そう今度は聖が意気込んで百円玉を落とすのだが。
「うわっ取れねぇ!!難いなコレ。
でもあと一回で取れそう。もっかいやる。」
「ちょ、待てって!!俺が取る!!」
「いーじゃんここは年長の俺に譲るべし。」
「やだよ。」
「おわっ!!」
聖がお金を入れる前に彼を押し退け真木がチャレンジする。
聖の言う通りこの回でようやくゲット出来た。
「ヨッシャゲット!!」
「良かったな真木。」
「しっかし可愛くねぇなこのぬいぐるみ。
あっ、てかなんかボタンある。何コレ?」
聖がこのうさぎのぬいぐるみについてるボタンを押したところ
「きひひひひひあっははははうひひひひひ」
「うわっ気持ち悪っ!!」
なんとぬいぐるみが不気味な声で笑いだしたのだ。
怖い。これ小さい子とか泣くな。
「んじゃ次あっち行かない?」
と聖が他のUFOキャッチャーの方を指差すが一つ気になることが。
「なぁ聖、お前なんで標準語になってんの?」
「え、だって方言丸出しとか恥ずくない?」
「えーなんで?俺好きだよ聖の博多弁。」
方言など使ったことない真木からしたらちょっと憧れる。
「そう…かな……?」
「ま、お前がどんな言葉喋ろうがイラつく事には変わりないがな。」
そして兄はすかさず暴言を発する。
「ほんとお前って性格悪いよな。
でも真木が博多弁とか可愛くね?」
「……それには同意する。」
と何故か今度は意見が一致する二人が俺をじっと見つめる
言えってことか……
「言わねぇよバカ!!」
本当にこう言う所だけは二人仲良く意見が一致するから腹が立つ。
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