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第152話

「え、今日帰るの?」 朝起きてリビングに行った真木は驚いた。 だって聖が荷造りをしていて聞くと今日帰るのだと言うのだから。 「ああ、俺一応受験生やん?勉強せなんけんさ。 で、昨日家から電話きて帰って来いって。 だけん帰らなん。」 「そうなんだ……」 何だかんだ一緒に遊んで相談にのってもらって 楽しかったから帰ってしまうのはちょっと寂しいかもなんて思った。 そんなこと口に出すと聖はやっぱずっといるとか言いそうだし玲は嫉妬するだろうから絶対言わないけど。 「いっそ落ちればいいのに。」 玲がそう冷たく言い放った。 「あはは~こう見えても俺お前ほどじゃないけどそれなりに成績いいし、一応ここにいるときも寝る前勉強しとったけん合格できる自信あるし。」 自信満々にそう語る聖にこの家にいるときも勉強してたなんて知らなかったから意外としっかりしてるんだと知らない一面を見たと感心した。 「じゃ、またな~。」 「ん、バイバイ。」 「もう来んな。」 「あ、そうだ昨日あんま声出しとったら叔父さんと叔母さんにバレるぜ?」 「なっ!!」 まさか聞こえてたなんて…。 「アハハ、じゃあな~。」 聖は言いたいこと言って福岡へ帰って行った。 聖のいない家は静かになって落ち着きを取り戻していた。 「やっと平穏な日常が戻ってきた。」 玲が伸びをしながらソファにドサッと座り込んだ。 「やっとって2泊3日だけだけどな。」 「だけって…俺にとっては永遠のように感じた。 あいつがいつ真木に手を出すかひやひやだったっての。」 「………」 クリスマスと真木の誕生日も過ぎもうすぐ今年も終わる。 来年は玲も受験生だけど、進路とか決めてんのかな? 頭いいんだからレベルの高いとこ行けばいいのに。 勿体無い…… まぁそれは兄ちゃんが決めることだから俺が何か言うことじゃないけどと真木は少し複雑だった。 「真木、今度はちゃんと一緒に初詣行こうな?」 「え、ああ…うん……」 そう言えば去年は友達と大晦日から遊びっぱなしで 初詣すら行ってなかった。 次くらいはちゃんと行かないとバチ当たりそう。

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