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第153話
今年ももう終わりに近づいてる。
気づけば今年は色々あった。
まず、高校生になり新しい友人ができ、それからやはり一番大きいのは兄と恋人になったことだろう。
未だに何故こうなったのかよく分からない。
第一兄弟だ。
それでも好きになってしまった物はどうしようもない。
そして現在、真木リビングのソファで兄と並んで大晦日恒例の歌番組を観る。
時おり玲がボディタッチしてきて腰に手を回してきたりするのを払い除けながらその歌番組も終わりを迎えた。
いよいよ今年も終わる。
そんなとき……
「真木。」
「ん?」
玲に名前を呼ばれそちらを向くとチュッと口に軽くキスをされた。
「!!に、兄ちゃん!!母さんと父さん見てたらどうすんだよ!?」
食卓のテーブルの方にいる両親に聞こえないようボソボソと兄ちゃんに怒る。
「大丈夫だって二人ともこっち向いてない。
それに今年最後のキスしたかったし。」
ニッコリと満足気な顔をする兄に振り回されている内に時計の針は12時をさした。
「明けましておめでとう真木。」
「…………おめ…で…とう。」
こんな呆気ない感じで新年を迎えるなんて納得出来ないが残念ながらもう迎えてしまったのだから諦めるしか無い。
「今年もよろしく。」
そう言って今度は額にキスをされた。
「…………」
幸いこれも両親には見られなかったけど。
全く、本当に見られたらどうするんだ?
こうして新たな一年が始まるのだった。
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