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第154話
兄にちょっかい出されている内に年が明けてしまいイマイチ新年を迎えた気がしない真木だが……
「真木~行こうか。」
「ん~。」
兄との約束通り夜が明けた今から初詣に向かう。
「なんだ?まだ根に持ってるのか?」
「別に……もう持ってないし。」
「じゃあなんでそんな不機嫌そうなんだ?」
なんで不機嫌なのか?
決まってるだろ!!
「なんで俺だけ着物??兄ちゃんも着ろよ!!
恥ずいんだけど!?」
「だってそれしかないし。
丁度真木にピッタリだし似合うよ?
それとも女物の方が良かったか?」
「ぶっ飛ばされてーの?」
「冗談だって……だからその拳にはぁ~っての止めてくれないかな?結構怖いから。」
若干不機嫌ながらも兄と一緒に神社へお参りに出掛ける。
しかし着物を着てる人はあまりいない。
それに上からダウンジャケットを着ているとは言え寒いし正直洋服に着替えたい。
「はぁ~…………」
「ほら真木おいで。」
玲に促されお賽銭箱の前に立って百円玉を放り投げそして二礼二拍手したあとお祈りし一礼した。
何をお願いしたのか?それは秘密だ。
「さて、何処か行きたいところとかないか?」
「ん~……ちょっと腹へった。」
「じゃあこの近くの飲食店でも行くか。」
何処かいい店を探していたところ玲が一件の店を見つけた。
「ここは?カレー、オムライス、その他
入るか?」
「…………兄ちゃん、他んとこ行こ、な?」
「ん、ああ?」
ここ、Masquerade という飲食店。
真木にとってあまり来たくない所なのだ。
何故か?そんなことはどうでもいい。
兎に角、ここから離れたい。
店に背を向け足を踏み出したその時
「あ~ら、真木ちゃんじゃない?」
「…………」
見つかってしまった!!
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