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第159話

「じゃ、またいらっしゃい待ってるわ。」 「う、うん…また…」 二人は一時間程でMasqueradeから出た。 純は外まで出て二人を見送り中へ入る。 「大丈夫ッスかねマッキー。」 「さぁ?」 「さぁって冷たっ!!」 「あたしはそう言う人間だって知ってるでしょ? 真木ちゃんの事は好きだけどそれとこれとは別。」 利益にならないことはしない。 それが彼のポリシーだ。 「五十嵐……」 「ん?」 「あの子いつも真木ちゃんに引っ付いてあたしを睨んでたわね。 よっぽど真木ちゃんに執着してるのか……」 純は自分の唇に指を当ててクスリと口角を上げた。 「龍臣。」 「はい?」 「後で向こうの部屋においで。」 にっこりと笑かける純に龍臣は冷や汗を流す。 「……純さんって結構しつこいから体力持たないんだってば……。」 ______ 「真木。」 「ん?」 「外に一人で出歩くなよ。」 純が言っていた五十嵐の事で玲は警戒心を顕にする。 正直言って五十嵐とはそこまで親しかったってわけじゃない。 確かによく一緒につるんでたけど高校生になってから会わなくなったのに何故今頃になって……。 真木は先程の純との会話を思い出す。 『貴方を傍に置いとくべきだったってぼやいてたわ。』 『どういうこと? てか俺五十嵐とはあんま親しくはないんだけど。』 『さぁ?詳しくは知らないけど、貴方も鈍いわよね。 あんだけ見られてたってのに。』 『??』 『気を付けなさい。 あの子何考えてるのか分からないし親にも見放されたみたいだし。』

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