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第162話
キスで無理矢理起こされ真木は兄と共に家を出る。
不機嫌なのだがキスされたのは嬉しかったのだから兄に怒れないのがなんだか悔しい。
「真木、帰りも一緒に帰るからな。
勝手にどっか行くなよ?」
「うん……」
先日純に聞いた五十嵐。
彼が何かしてこない確証がない限り安心出来ないと言って外では兄が必ず一緒に行動すると約束した。
教室にはまだ蓮条らはきておらず、
真木は朝兄に無理矢理起こされたこともあり教壇で宿題を集めてるクラス委員に宿題を提出した後机に突っ伏し眠った。
それからどのくらい経ったのか分からないが誰かが俺を揺すって起こしてきた為目を開けると蓮条と二階堂がそこにいた。
「よう真木、おは!!」
「なんだ二人ともサボりじゃなかったんだ。」
「あはは~でも今きたしもう10時過ぎてるけどな~。」
「え!?」
もう10時過ぎてんのか?寝過ぎた……。
そして真木を起こさない教師よ……。
まだ頭が冴えてないのを余所に二人は会話を続ける。
「そういや冬休みどっか行った?」
「俺は………特に何も……。」
蓮条の一瞬間のある答え方をしたのはちょっと気になったけどそこは聞かれたくないこともあるんだろうと聞き流す。
「真木は?」
「ん~俺も特に……兄ちゃんと近場に遊びに行ったり初詣に行った程度。
そう言う二階堂はどっか行ったの?」
「俺は3泊4日のハワイ旅行。
いや~海がめっちゃ綺麗でさ~
あ、これお土産のお菓子!!食べて!!」
「金持ち爆ぜろ!!」
「酷っ!!」
ハワイ旅行どころか国内の旅行すらあまり行かないと言うのに……。
と言うかこいつ確か夏休みもどっか行ったって言ってなかったっけ?
腹立ちながらもお菓子はしっかりと頂いた。
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