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第171話
「純さんお待ちしてました。」
「うん。ありがとう。」
一人の男が純に話しかけてきた。
玲は誰なのか尋ねるように純に目線をやる。
「ああ、彼は宮部斎 。
で、もう一人が坂上浩平
真木ちゃんの捜索に力をかしてもらったのよ。」
「そうでしたか。
お力添えどうもありがとうございます。」
「いいえ、純さんのご命令とあらば動かないわけにはいきませんし、真木君の為ならこれくらいどうってこと無いですよ。」
ニコッと爽やかに微笑む宮部。
「真木をご存じで?」
「ええ、たまにMasqueradeで会ってました。
人懐っこくて可愛いですよね。」
「はぁ…………」
「それで真木君の事なんですけど……」
宮部が玲と純に今の状況を話し始めた。また
「このマンションの向かい側のマンションにいるようですよ。」
彼の指差す窓の方にはもう一人の坂上が双眼鏡を持って立っている。
そこに純が彼から双眼鏡を受け取りマンションを見つめる。
「何処?」
「あそこ……一番右、
窓に板貼ってある………」
外側から見る限り窓には板が貼ってあり尚且つカーテンも閉めてあるため中を窺い知ることは出来ない。
「うん……あの部屋がどんな状態なのか分からないけどいけなくもないわね。」
「どうするつもりなんです?」
「乗り込むわ。」
「は?」
状況が分からないまま乗り込むって何考えてんだ?
第一どうやって部屋の中に入るつもりなんだ?
「そんな顔しなくても大丈夫よ。
こっちもちゃんと対策はしてるから。」
「対策?」
「ああ、そこは俺の出番ね。」
そうニッコリと龍臣がピースをした。
「さぁ、行きましょうか。」
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