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第179話
「一体どういう風の吹き回し?
あれだけ行かないと言い張ってたのに。」
今玲は修学旅行の北海道へ行くため飛行機の座席に座っている。
因みに隣は篝が座っている。
「仕方ないだろ?
真木に土産買うためだ。」
「なるほど、真木君に絆されたわけね。」
「真木があんな可愛くお願いするのがいけない。」
「はいはい。」
機体は離陸し空へと上昇していく。
平行飛行になるころには窓の外は雲が下に見えて綺麗な景色が広がる。
そんな景色を見ながら玲はここに真木がいたらどれ程楽しかっただろうと想像しながら溜め息を漏らす。
周りの同級生達は楽しそうに話をする声や笑い声が聞こえる中一人つまらないと目を閉じ眠った。
「……い……玲起きて‼
もうすぐ着くよ。」
「ん……ああ……」
篝に起こされまもなく着陸と言うことでシートベルトをし着陸するのを待った。
無事空港に着き飛行機から降り外へ出るとやはり寒い。
こんな季節に来るもんじゃないと改めて思う。
「もう帰りてぇ。」
「何言ってんの、来たばかりでしょ?」
呆れる様子でそう篝に言われる。
そしてまず向かったのは北海道についての資料館やらなんやら回りアイヌ文化について色々見聞きしてその後食堂で昼食を取った後某動物園へと向かった。
流石有名だけあって凄い。
動物達のありのままの息遣いが感じらる。
こう言うところは真木とデートできたい。
きっとハイテンションではしゃぐに違いない。
そんなことを考えながらジーっと動物を見ていると周りに女共が集まって来た。
「ねぇ遠矢君一緒に回ろうよ。」
「あたしも遠矢君と見たいなぁ~。」
ウザい………
ケバい化粧に香水の匂いがきつい。
本当に勘弁してほしい。
「悪いけど一人でゆっくり回りたいから。」
そう言いながら腕に絡み付く女子を振りほどいた。
女子のえ~っと言うような声が聞こえるも無視し足早にその場を離れる。
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