180 / 194
第180話
玲は適当に一人で動物園を回りその後、宿泊する旅館へとバスで向かった。
「おおスゲェ!!」
「デカっ!!」
バスから降りると皆がその旅館を見上げた。
結構立派な旅館で中へ入ると仲居さんが出迎えに来ていた。
「ようこそお待ちしておりました。
此方へどうぞ。」
班ごとに分かれ部屋へと案内される。
因みに玲の班には篝もいる。
部屋は広く外は見事な絶景が眺められる。
「この後30分後食堂に集まって食事だからそれまで荷物の整理とか済ませといてね。」
班長でもある篝がそう告げそれから荷物整理など終わらせ食堂へと集まった。
「はぁ~…………」
「何?そんな溜め息ついて。」
「つまらない!!真木がいないとか俺マジで死ぬ。」
真木に会いたい。
初日から寂しくて仕方ない。
こんなんで残り3日持つのか不安だ。
この日豪勢な食事が出てきたのだがあまり食が進まなかった。
「遠矢君大丈夫?あまり食べてないみたいだけど。」
食事を残してる玲の顔をクラスメートの女子、高野愛美 が覗き込んでくる。
普段から玲にご執心でここぞとばかりに寄ってくる。
ウザい…………
「具合悪いの?」
「……ああ、まぁそうだな。
だから今はほっといてほしいんだけど?」
「え…ああごめん……」
イラッとして若干怒るように言うと高野は傍から離れていった。
「玲、そんなイライラしないの。
楽しみなよ、そんなんじゃ真木君に修学旅行どんなだったか聞かれても何も答えられないよ?
それじゃ折角聞いても真木君つまんないと思うけど。」
「……………」
篝が言うことは確かに正論だ。
楽しまないと土産話も何もない。
食事の後は風呂だ。
ともだちにシェアしよう!