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第183話

「恭也……」 こいついつの間に? と言うか起きてたのか!? 「進藤君、君寝るとここの部屋じゃないでしょ? 早く戻ってくれないかな。 僕一応生徒会長でもあるからさ。 もしこれが先生にバレたら僕までどやされかねないからさ?」 「……………」 篝が笑顔で進藤にそう言うと素直に玲の上から退いた 。 篝は普段は温厚なのだが一度キレれば怖い。 以前自習でクラスメートがふざけて黒板消しやら投げ合いになったとき篝がキレてマジで怖かった。 一瞬にして教室が静まり返ったからな。 「分かったよ。 遠矢、じゃ、これで最後。」 それを分かっている進藤は本能的に篝を怒らせてはいけないと最後に玲の唇へ軽くキスをし、自分の寝床へと戻って行った。 「……悪い恭也何とか助かった。」 「全くだよ。 ほっといてこのまま成り行きを見てようかとも思ったけど流石に真木君が可哀想だし。」 「それ俺はどうでもいいってことか?」 「君ってあんまり不自由ないよね。 だからさ、なんか、ね?」 「…………」 こいつ人の不幸を楽しんでないか? 前から性格悪いって思ってたが、最近より拍車がかかってきた気がする。 だがまぁ、彼のおかげでようやく安眠についたのだが、次の日溜まった疲れはあまり取れずギリギリまで寝て篝に叩き起こされたのだった。 朝食も美味いのに疲れてるせいであまり入らない。 「遠矢君今日もあまり食べてないみたいだけど大丈夫?」 昨日の夕飯の時に話し掛けてきた高野が今日も話し掛けてくる。 「別に問題ない。」 軽くあしらって朝食を済ませる。 因みに今日は北海道の大自然を満喫したあと洞爺湖周辺を観て回る予定になっていて その移動の為にバスへと乗り込む。 全くこっちは心身共にヘトヘトだと言うのに容赦なく歩かされるんだろうな。 それを考えたらやっぱ休めば良かったと思った。 ああ、今頃真木は学校か… 会いたい。 「恭也、着いたら起こせ。」 「それ人にもの頼む態度? ……ってもう寝てるし。」 眠りについた玲は真木との情事に励む夢を見るのだった。

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