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第186話

「ウザい!!」 ご飯を食べながら隣に座る篝に愚痴をこぼす玲。 前々から高野は玲にアピールしてきていたが、修学旅行に入って悪化してきた。 「確かに玲はああいうタイプ苦手だしね。 まぁ精々頑張って。」 他人事のように言う彼にイラッとしたものの、この修学旅行中結構助けられてたことを思い出しそこは感情を抑えた。 ご飯を食べ終わった後は再びバスへ乗り洞爺湖周辺へ向かった。 そう言えばまだ真木へのお土産を買っていない。 自由行動のため真木へのお土産を買う為にある店に入った。 と言うか真木には欲しいものがあるらしい。 それは…… 「遠矢君~何買うの~?」 「……………」 折角真木の土産を見てたと言うのにまた来た。 店くらいゆっくり見させてほしい。 「高野……なんか用?」 「ん~?遠矢君と色々見たいな~っ。て」 「あっそ。」 もう一々相手にするのも面倒で彼女の事は無視して真木の欲しいものを買うことにした。 そして買ったのがこの木刀。 柄には「洞爺湖」と彫られている。 真木はこれが欲しいらしい。 「へぇ~そう言うの買うんだ~。」 ずっと傍に着いてきた高野が食い付いてくる。 「弟の土産だ。」 「弟……あ、あの可愛い子ね。 優しいお兄さんだよね~遠矢君。 いつも弟君と学校一緒に登下校してる。し」 「そりゃ世界一可愛い弟だからな。」 「遠矢君ってブラコンだね。 でも少しは弟離れしたほうがいいよ?」 「はぁ?」 「だってこれじゃ弟君も彼女出来ないでしょ? 遠矢君も彼女といる方が楽しいわよ。」 ああ、なんでこうも決めつけるかな? 何も知らないくせに知ったようなことを……

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