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第190話

そして早朝5時、ここのご主人に起こされた。 「眠い………」 「確かに疲れも溜まってるしちょっとキツいかも。」 玲は篝とそんな会話をしながら牛舎へとやって来た。 「わぉ………」 ここにはホルスタインの牛さん達が沢山朝っぱらから元気よく鳴いている。 「早速だが君たちにはこの子らに餌をやって欲しい。 向こうから運んできてくれるかい?」 そう言われ皆で乾草を牛の元へと運んだ。 だが思っていたよりも重労働で普段こんな動かない玲はもうヘロヘロだ。 ようやく餌も運び終わり今度は乳搾りの体験だ。 乳搾りと言っても機械がやってくれるのだが…… それらが終わりやっと朝食の時間だ。 食卓にはここで作ったと言う牛乳とチーズが並べられ、腹ペコの高校生には相当美味かった。 そして遂に修学旅行も終わり家に帰る事が出来る。 やっと真木に会えるのだ!! 「お世話になりありがとうございました。」 修学旅行生を迎え入れてくれた夫婦に挨拶を済ませ帰りの飛行機に乗る。 朝早かった事から玲はすぐに眠りについた。 空港に着くと先生の話がまた長いこと… 玲は少々イライラしながら聞いていた。 ようやく解散すると足早に家に帰った。 ただいまと久しぶりだからか多少緊張しながら玄関のドアを開ける。 そしてリビングには愛しい愛しい真木がいる。 「あ、お帰り兄ちゃん。」 笑顔で迎え入れる真木に思わずギューっと抱きついた。 「ただいま真木~ お兄ちゃん寂しくて死ぬかと思ったぞ!!」 「兄ちゃん、苦しい…… てか死ぬとか大げさだろ!!」 「いやマジで!! 真木がいないとか俺無理。」 真木の声、真木の匂い…… なんだか懐かしい感じがする。 結論、真木がいないと生きていけないと再認識するのだった。

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