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第7話
「ユイ、俺はもう母さんのように苦しむ人を見たくない。俺の出来る限りでお前の力になってやるから」
「お、俺は…」
一度唾を飲み息を整える
「絶対にもう迷惑はかけられないんです」
俺は思い出せる限りのことを伝えた。
それからの変わりない紫薫さんのことも。
「…んー。とりあえず発情期のお前に紫薫サンが何かしたと」
「何かって…」
「ま、お前のお得意の妄想かもしれないしな」
馬鹿にしたような目で見るな!てそれより
「お得意ってなんですか!!」
「あ?ガキんちょの頃から紫薫サンとあーだこーだしたいだとかありもしない事ペラペラと」
「もういいですやめてください」
落ち込んでる人に失礼すぎるだろ。
もしかしたらこれが榊さんなりの慰め……?
だとしたら相当な口下手だ。
「お前失礼なこと考えただろ」
エスパー…
「榊さんに失礼とか1番言われたくないんですけど」
少し間が空いた後
「まーあれだ。薬使いすぎるのはやめろ。俺も長期的に店空けて代理を頼んだのも悪かったな。これからはなるべく店にいる」
「でも俺薬ないとまたいつ誰に迷惑かけるか…」
そしてまた静かな沈黙がその場を包んだ。
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