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第13話

「君らも高校では結構なやんちゃ坊主らしいじゃない? 隠れて煙草吸ったり喧嘩したり、結構ワルっぽいことばかりして困ったもんだって白夜がそう言ってたよ?」  これにはさすがに深刻そうに黙ってしまっていた二人も驚いたように顔を上げ、苦笑を誘われながらもようやくとその表情に明るさを取り戻す。  氷川が桃稜で番を張っていただなんて、あまりにも写真の中のいでたちそのもので、何だか可笑しい。その氷川とやり合っていたのが自分たちにそっくりな写真の二人だということにも何故だか胸が締め付けられるようだ。  何故そんな気持ちにさせられるのか、写真の中の彼らが今の自分たちと同じように過ごした日々が鮮明に頭の中に浮かぶようで、それは懐かしくもあり、酷く切なくも思えて仕方ない。思わず写真に写るその当時に引き込まれてしまうようだった。  そんな思いを裏付けるかのように、四天の学ラン姿のその二人を指さして倫周は言った。 「遼二が亡くなったのはこの日から少ししてのことだった。バイクの事故だったよ。その半年後、まるで彼の後を追うようにして紫月も事故で亡くなったんだ」  一見したところ、案外感情の起伏が豊かそうに思えるこの倫周が、まるで当たり前に、ともすれば平然とした調子でそんなことを口にする様子が、過ぎ去った年月を物語ってもいるように感じられて、遼平と紫苑の二人はしばし言葉を失ってしまった。  かける言葉など思い浮かぶはずもない。  今の今までふてくされた感情をあらわにしていた紫苑も絶句したまま、だがやはり何かを口にしなければと焦るのか、ようやくの思いで開いた口が、 「事故……」  乾いた喉を無理矢理押し広げて、掠れた声を振り絞って、それだけ言うのがやっとだった。倫周は少し切なげに笑みをたずさえながら、 「君ら、今幾つだい?」  そう訊いた。 「え? ……あ、えっと……俺はついこの前十八……ンなったばっか……」 「俺も同じ……。俺ら同学年(タメ)だから十八です。あ、けど俺の方が半年くらい誕生日早えけど……」  それだけ聞くと、 「ほら、ね? ちょうど歳の頃も合ってる。だからかな? 白夜が……いや僕らもだけど……君らがあの二人の生まれ変わりなんじゃないかって、ついそんなふうに思ってしまうんだ」  倫周はそのまま窓際へと歩み寄ると、フイと瞳を細め、宵闇に浮かんだ月を見上げた。  あの頃、僕らは共にいた。  共に笑って、共にはしゃいで、そして喧嘩して、また仲直りして、そんな当たり前の日常が本当に至福だと思っていた。  どんなふうに僕らが出会って、どんなふうにあの頃を過ごしたのかを、君たちにも見せてあげられたらいいのに――

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