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 翌日、予定通り昼過ぎに将希がやってきた。  僕は帰ってからもそわそわしていてあまり眠れず、少しばかし仮眠を取ると珍しく部屋の掃除をしていた。 「どういう風の吹き回しかしらないけど、なんで掃除なんかしてんの?」  珍しく目を丸くした将希は、明日は雪だなと付け足して、手土産をテーブルに置く。 「聞いて驚くなよ!実はな‥‥‥」  僕は興奮気味に、昨日の夜勤での出来事を将希に伝える。 「ふーん」  将希は少し眉間に皺を寄せ、考える素振りを見せる。  僕は空振りしたような気持ちになり、少し恥ずかしくなった。  こんなんだから、将希に子供っぽいと馬鹿にされるのだ。分かっているけど、なかなか治らない。 「なんか胡散臭いんだよな‥‥‥」  将希が不機嫌そうに呟く。 「えっ、なに? 妬いてんの?」  僕はニヤニヤと将希に詰め寄る。将希はハッとした顔で視線を逸らし、やっぱり馬鹿だなとため息を吐いた。  予定通り、将希は9時には帰って行ってしまう。いつもなら寂しいところだが、今日は違う。何せこれから稔さんが来るのだから。  落ち着かない気持ちで正座していると、軽快なインターホンの音が部屋に響き一瞬体が跳ねる。  急いで 、玄関の扉を開けると今朝と同じくスーツ姿の稔さんが立っていた。  片手にビニール袋を持っているところを見ると、何か用意してきてくれたのだろう。  そこで、自分はなにも用意していないことに気づき、気まずさを覚える。 「あっ!僕なにも用意してなくて‥‥‥すみません」  部屋に案内しつつ、ひたすら詫びる。なんたる失態だと、自分の馬鹿さ加減に嫌気がさす。

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