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稔さんが小さく呻き、叩きつけるように腰を突き上げると、生暖かい液体が壁に打ち付けられる。
「はぁっん、で、出てる‥‥‥」
僕も快感が頂点に達し、もう何度目か分からない絶頂感に体が震える。
荒い息遣いの中、稔さんがゆっくりと腰を引いていく。
「大丈夫かい?」
優しい目の色に戻った稔さんが、僕の唇に軽く口づけを落とす。
大丈夫ではない。全くもって大丈夫ではない。僕はとんでもない事をしてしまったのだ。
稔さんは僕の体を綺麗に拭きながら「暴走しちゃってごめんね」と微笑んでいる。
謝ってるようで、嬉しそうにしているのには相当矛盾していると思う。
「稔さん‥‥‥」
僕は不安に駆られて、稔さんに疑問をぶつける。
「こんな事して大丈夫なんですか?」
「どうして?」
「僕たち男同士ですし‥‥‥付き合ってもないじゃないですか」
「なんの問題もないよ。そんな事より、シャワーを浴びてきなよ。それとも僕が洗ってあげようか?」
稔さんが意地悪そうに笑った。僕は嫌な予感がして、慌てて浴室に逃げ込む。
シャワーを浴びながら今までの事を反芻する。酔った勢いとはいえ、僕は稔さんの事が好きなのか‥‥‥。
稔さんは僕のことを愛してるだなんて言った。その言葉が何故か、呪文のように心に貼りついていた。
シャワーを浴びて戻ると、稔さんは服装を正し、元の好青年に戻っていた。シーツや布団も丁寧に整えられていて、机の上も片付けられていた。
一瞬にして何事もなかった事のように、見繕えるのが凄い。僕なんてまだ恥ずかしくて、目も合わせられないというのに。
「早かったね。じゃあ、僕はそろそろ帰るから」
てっきり泊まっていくものだと思っていたので、僕は驚いて稔さんを見る。
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