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稔さんが僕を優しく布団に押し倒す。
僕は稔さんを見上げる。整った顔が月の光に照らされ、より白く妖艶に見える。
「……玲くん。愛してるよ」
稔さんが微笑むと、口づけを落としてくる。
拒むならここしかない。分かっているのに、僕は動くことが出来なかった。
自分が思っている以上に、パニックになっているのだろう。
稔さんの舌が唇を割って潜り込んでくる。いつも以上に熱を感じ、興奮していることが伝わってくる。
次第に僕の舌を捉えようと、深くまで貪りついて来た。
「んっ……ふっ……っ」
稔さんの手が、僕の浴衣の胸元に滑り込んできた。
撫で回すように動かした後、僕の胸の突起を親指で押しつぶしてくる。
「や、やっだ…あぁっ……」
思わず唇を離し、腰が浮いてしまう。
稔さんの唇が首元に落ちると、いつも以上に強く吸い付いてくる。
「あっ……痕が残っちゃう」
僕の訴え虚しく、稔さんは何度も鎖骨や胸元を強く吸い付く。
浴衣がはだけ、上半身が晒されて少し肌寒く鳥肌が立ってしまう。
「あっ、ああっ、や、やめて!」
突然、胸の突起を強く吸われ僕は悲鳴をあげる。
片手でもう片方も弄くり回され、僕は全身が粟立ってしまう。
下腹部が熱を持ち始め、何だかんだ悩んでた事も今では真っ白になってしまった。
稔さんの手が下腹部を摩り、僕のモノを優しく撫でる。
すでに先端から蜜を零すほど張り詰めていて、羞恥心が湧き上がってくる。
「玲くん」
ふと稔さんが動きを止めると、潤んだ瞳で僕を見つめ、体を起こす。
僕の帯をゆっくりと解き、前を開く。
「‥‥‥綺麗だよ」
僕の体を舐め回すように見つめ、呟いた。
汗ばんだ体が、外気に晒され緩い風が熱を吸い取って行く。
僕は恥ずかしさで前を隠そうと、浴衣を手繰り寄せようとする。
「ダメだよ。隠しちゃ‥‥‥」
稔さんが僕の両腕を掴み、帯で結んでしまう。
長い帯で、何重にも巻かれたことで簡単には解けそうもない。
「さっき、縛って欲しいって言ってたもんね」
稔さんが艶っぽく僕を見つめる。
「ち、違います! そう言う意味じゃあーー」
抗議を遮るように僕の唇を奪い、再び深く舌を絡ませてくる。
「ふっ、んっ‥‥はぁっ」
唇が離れていくと、唾液が怪しく糸を引き不覚にも興奮してしまう。
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