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結合7
あの日以来、時仲くんはあからさまに僕を避けていた。
入部したてなのにも関わらず、部活にもあまり顔を出さなくなってしまったのだ。
そんなある日の放課後、吹奏楽部の楽器の音が響く廊下を歩きながら玲くんのいる図書室に向かう。
すでに、下校してるか部活動に専念している時間帯だったこともあり人が少ない。
玲くんは部活に入っていないので、図書委員の仕事でたまに残るぐらいだった。
僕も予定がない時は図書室に行き、棚の隙間から玲くんを眺める。
カウンターに座り、文庫本をぼんやりと眺めている姿に目を奪われてしまう。
写真を撮ろうと、隠し持っていたデジカメを向ける。
シャッターを切ろうとした瞬間、突然腕を捕まれ静かに振り返る。
「先輩……何してるんですか?」
時仲くんが青ざめた顔で立っていた。
僕は静かに腕を降ろし、いつも通り微笑みを浮かべる。
「何って……写真撮ってるだけ」
「ちょっと来てください」
時仲くんに促され、渋々図書室を後にする。
長い廊下を無言で歩き、階段を何段も上がると、連れて行かれたのは屋上だった。
重い扉を開け、僕が先に屋上に出ると時仲くんは内鍵をかける。
初夏の暑い風が襲いかかり、じんわりとシャツに汗が滲む。
時仲くんが前に進み出て振り返ると、僕と向き直る。
「先輩。盗撮は犯罪ですよ」
「別に裸を撮ってるわけじゃないだろ。なんなら、僕が自分から玲くんに写真を取らせて欲しいって、頼んだって良い」
僕は呆れたような顔で反論する。
「僕は玲くんに話しかけたくてウズウズしてるんだ。それなのに、君が邪魔しているんじゃないか」
「玲はいろんな人に言い寄られて迷惑してるんです。これ以上、厄介ごとを増やしたくない」
時仲くんが、苦しげに顔を歪める。
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