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結合9

 9月に行われた採用試験に合格していたこともあって、僕は晴れて4月から警察学校に入校となった。  親元を離れての、寮生活が始まる。  さして、家族に固執していなかったので、ホームシックで悩むグループ生などの気持ちが理解できなかった。  男女の恋愛が一切禁止されていたこともあって、悶々とした様子の奴を見つけると、実験代替わりに声をかけることもあった。  こういう時に自分の容姿は役に立つ。優しく微笑めさえすれば、大体は断りはしない。  こちらが挿れる側だと分かると、ぎょっとする奴もいた。騒ぎ立てるわけにもいかず、大抵はおとなしく従っていた。  玲くん相手に失敗するのは格好がつかないと、僕は考えていたのだ。  それに加えて、卒業後はゲイバーなどで後腐れなさそうな相手で試しもした。  10ヶ月間、忙しない毎日をひたすら玲くんの事を考えてやり過ごす。  様々な知識に加えて、体力も格段と付いた。  先輩達からのいじめや、しごきで精神的にもかなり向上したように感じる。  二月の突き刺さるように寒い時期に、僕は無事卒業となった。卒業してからは地元の交番に配属となり、玲くんに近づけた事に震えるほど嬉しかった。  久々に本物の玲くんを見た時は、やっと一歩近づけたのだと落ち着かない気持ちになる。  玲くんは相変わらず、綺麗な笑顔を時仲くんに向けていて、校門から出てくるところだった。  ああ、今すぐにでも近づいて成長した自分を見て欲しい――  そんな欲求をひたすら堪える。  焦ってボロを出したら、今までの苦労が水の泡になってしまう。  僕は二人から視線を離す。 「玲くん、待っててね」  吐き出す息が、後ろに白く伸びる。  木々は葉を落とし、寂しい空気を纏っていた。

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