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第35話
ついに明日から夏休み、というわけで本日は終業式だ。体育館に集まりながら、式中にこっそりと今朝先生から届いていたメールを読んでいる。
『昨日言っていた質問に、僕なりの答えを出してみました。これが全てじゃないので、あくまで参考に』
そんな冒頭から始まり、4つの項目を読み進める。
『①恋愛をゲームとして考えている
②自分に自信が無い
③偽りの自分が愛されていると思っている
④自分を好きだという人を下に見てしまう』
一つ一つに解説もついており、まずは①から考えてみた。
『①恋愛をゲームとして考えている
とてもモテていたり、恋がしたことがない人、もしくは自分の思い通りにことが上手くいくことに対して面白いと考えている人、いい方向で考えると、人に尽くすのが好きで、何を与えればこの人はどう動くのかと考える人などに、こういった傾向が見られることは多いです。しかし、告白されたりするとそこでゲームは終わってしまうので、極端に言うと嫌いになる、というわけです。どちらかと言うと飽きると言った方が正しいのでしょうか」
正直、もうこれじゃないか?と思ってしまった。人気すぎてモテてるとかいう次元じゃないし、恋がしたことがないかは知らないが、俺は先輩に転がされてばかりだし。人に尽くすと言えば、料理やら服やらスキンシップだって......当てはまることが多すぎて納得してしまう。
それから、②はないなと思った。自信がない人がモデルなんてやるわけが無い。解説を飛ばして③に進む。
『③偽りの自分が愛されていると思っている
二重人格者だったり、芸能人など、表と裏を使い分けることが多い人に多いと思われます。本当の自分は違うと言った感情から、好きと言われると本当の自分を好きになってもらっていないような気がしてその人に興味を失ってしまいます』
有り得なくはない。たしかに先輩は二重人格だ。怖かったり優しかったり、人によって態度が違ったり、すぐ機嫌は悪くなるし、それでいて手は早いし。あぁ、ダメだ、愚痴みたいになってきた、次に行こう。
『④自分を好きだという人を下に見る
自信がありすぎる人や、自信がない人、プライドが高く、精神的に不安定な人などに多い傾向です。他者を下に見ることで安心したり、自身の優越に浸ります。好きだと言うと、屈服させたような気持ちになるのでしょうか。途端に興味を失い、次の人に移ろうとします』
うーん、微妙だ。自信はあるし、プライドも高そうだが、自信がないこともないし、不安定でもない。いや、怒ったりすることに関しては不安定なんだが、危うくはないというか。あぁ、もう分からん。精神科の先生でもないんだから俺が考えても無駄か。
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