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兄弟どっちも興奮猫耳!?にゃんにゃんHが止まらない!
「ただいまー」
日曜日。
両親が外出中の自宅で一人お留守番していた弟の星哉。
クラスメートとカラオケで遊んで帰ってきた兄の智章。
「おかえりー」
コタツでぬくぬく寝転がっていた星哉はマンガに釘付けのまま兄を出迎えた。
ネイビーのショート丈ダッフルコートを羽織った智章、そんな弟の頭を爪先で小突いてから手洗いうがいをさぼってコタツに入った。
「今ので首の骨折れた」
「つーか、そのマンガ見覚えあるんですけど、つーか俺のなんですけど」
「あ、ほんとだ」
「本代半分ちょーだい」
「カラオケ楽しかった?」
「話逸らすな」
五時前でまだ外は明るい。
はしゃぐ子供たちの笑い声が近所のどこからか聞こえてきた。
「腹減った」
「テキトーに食べてていいって」
「とーさん達は?」
「食べてくるって、高いトコで」
「なにそれ、ズル、なー○?」
近くを通りかかった飼い猫の○太郎を智章が抱き寄せる、○太郎はご機嫌斜めのようだ、シャーッと威嚇するなりすぐにリビングの隅へ逃げて行った。
「○が冷たい」
「おれピザ食べたい」
「あーピザね」
「トマト系がいい」
「絶対クリーム系」
「女子かっ」
「うるさ」
立ち上がった智章は母親が纏めてとってある出前チラシの束からピザ店のものを何枚か抜き取り、再びコタツへ。
星哉は相変わらずうつ伏せになってマンガを読んでいる。
智章は星哉の様子を窺いつつ、手元に置いていたバッグからそーーっとあるモノを取り出した。
斜向かいで寝転がる弟がこちらの動向を特に気にしていないことを再確認すると、ソレを、そーーっと、そーーーっと。
「?」
星哉は特に驚いたという風でもなく、なんとなーく頭に覚える違和感にキョトン顔、やっとマンガから視線を外した。
肩越しに見てみれば半笑い顔の兄がいた。
幼少時代、イタズラを仕掛けてきた時と同じ表情を浮かべている。
「な……なに? なんかつけた?」
「うん」
「な、なに? これなに?」
「あ、外すなって」
智章が星哉の頭にセットしたのは猫耳カチューシャだった。
全体が真っ黒なふわふわタイプのやつだ。
「うける、猫耳星哉」
「えっ。これ猫耳なの?」
「あーもー外すなって」
「トモ、こんなモン買ってきたの? え、いつからこんな無駄遣いするバカなコになったの?」
「買うかよ、もらったの」
カラオケでノリノリだったクラスメートの女子が最初は自分自身につけていた。
それが、途中から次々と友達につけ始め、一番似合っていたからと最終的に智章にプレゼントしてきたのだ。
「え……トモ、猫耳とか似合うかな?」
「似合わねーよ、冗談でくれたんじゃないの」
「てかさ、今日、女子いたんだ」
「ん、いた」
「てかさ……そのコ、トモのこと好きなんじゃないの」
「かもな」
「うわ、自覚してるトモ、きも」
「うるさ」
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