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兄弟どっちも興奮擦り合い!?パジャマHで兄弟つゆだく!
2/14(土)
「智章はまたチョコもらったの?」
「ん、でも去年より少ない、土曜だったし、六コ」
「今年こそ自分で買ってお返しするのよ?」
「ん、またかーさんに任せる、あ、星哉、勝手にトンカツとんな」
「もーらい」
「星哉はもらったの?」
「えっ?」
「星哉は毎年ゼロでしょ、今日だってずっと家にいたんでしょ」
「えっあっ」
「それがね、智章、星哉、行先言わずに今日お出かけしてたのよ」
「は?」
「あ、え、あ、トンカツもう一コもらおっ」
「……」
「……も、もらっちゃうよ? い、いーの? トモのトンカツもらっちゃうよ……?」
「なーご」
がちゃっ
「わっ」
宿題の数学プリントを学習デスクで解いていた星哉はびっくりした。
振り返れば智章が立っていた。
深夜で二人ともパジャマにフリースのフルジップパーカーを羽織っている。
色違い……というわけじゃない、照れくさいからそうならないよう敢えて避けていた。
「び、びっくりした……ノックしてよ、トモ」
「星哉もらったんだ?」
ドアを閉めた智章はイスの上で固まったままでいる星哉に開口一番、そう尋ねた。
「もしかして……チョコのこと?」
「誰から? 土曜に呼び出して渡すって、義理じゃなくない?」
「えっと……」
「本命?」
「……言いたくない」
「は?」
「トモに言いたくない」
星哉は智章からぷいっと視線を外した。
女子バスケやマネージャーから義理チョコをもらっただけの智章は、そんな弟をじっと見下ろす。
フリースのポケットに入れていたソレを握りしめて。
「ふーん……へー……そっかー……ふーん……」
意味のない独り言を繰り返す兄を、ちょっとだけ、弟は怯えたように見上げた。
ヴーーーーーーーヴーーーーーーー
「やっっ、やらっっ、やらぁっっ」
「しーー。下に聞こえるって、星哉」
「ら、らってぇ……ふぇっ、ふぅっ、ふぅぅっ」
「しーーーー」
「……ふぇぇぇ」
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